地球29日目の恐怖 地球は後一日で滅亡するのか?

 アメリカの農業経済学者 レスターブラウンが20年前に書いた「地球29日目の恐怖1」は現在、地球規模で進行しつつある環境破壊の実態とそこへ至る必然性を既に予言し、同時に問題解決の仕方まで提案してあり、今読んでも十分通用する示唆に富んだ興味深い本だ。

 この中で、何故"29日目"なのかという意味を象徴する話をあげている。「フランス人はナゾをかけて子供たちに、幾何級数的な成長の性質を教える。"ここに睡蓮の池がある。大きな葉っぱが、一つ浮かんでいる。それが毎日、2倍に増える。二日目には2枚になり、三日目には4枚、四日目には8枚になる。そしてたずねる。池が30日目に一杯になるとして、池の半分が葉に覆われるのはいつだろうか?"

 答えは、いうまでもなく29日目である。

 私たち40億(当時)の人間が住むという蓮池は、すでに少なくとも半分は、埋まっているのかもしれない。つぎの世代(約30年)のうちに、一杯になる可能性がある。

 睡蓮の葉っぱの群れは、すでに池のヘリに向かって押し寄せつつあり、池が一杯になる日が近いことを、知らせている。」

 彼はこの本で繰り返し呼びかける。「世界40億人(当時)の人間がいっそうの生活水準向上を目指すので、地球の生態系は破局を迎えつつある。これを回避するには、新しい社会倫理が必要。それはいま支配的な成長の倫理でなく、人口と欲望を、地球の資源と収容力に適応させることだ。これは世界全ての国が共同の政治的意思として行動すれば可能である。」

 そしてあるいは29日目かも知れない現在、おくればせながら、人類はようやく人口抑制、資源保護、エネルギー消費抑制、自然環境保全などの取り組みを始めだした。

1 たかぎ たかし高榎 尭 訳(毎日新聞編集委員"当時")昭和54年7月 ダイヤモンド社発行
2 書かれた当時1978年からの30年だから、2010年位になる


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