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優雅な支配 昔、丹後の親戚の婆さんがよく口惜しがっていた。婆さんは丹後縮緬織りの名人だった。 "あては京のお人は嫌いや、染めるだけで、いつもうまい事しはって、貧乏籤引くのはあてらや" 丹後で織られた縮緬の品質はいいが,それだけでは価値はない。無地の反物が京都に送られ京染めされて,小売店にまわされ、始めて高級品としての価値を持つ。日夜働いてやっと織り上げた反物の値段は安く、京染という工程を経た商品は高く売れ、儲けるのは京都人だけという嘆きだ。 婆さんの嘆きはもっともなようだが、"京染め"こそマーケテイング情報を満載した付加価値なのだ "今好まれる色、柄はどんなものか、流行や売れ筋はどうか"など、たえず気を配り、研究、開発してきたのが京染めである。たかが染めるだけではない。 この優雅ともいえる付加価値で京都は長年丹後の首根っこを抑え支配してきた。 < ききみみずく >
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