一口の食事

 日本酒の名に「正宗」がつくのは禅の「臨済"正宗"」の意、元祖"櫻正宗"の先祖が日頃から尊敬しているお寺の教文からつけた。正宗=清酒に通ずる。

 カクテルの「パンチ」は「ヒンズ教の5」の意、水、酒、砂糖、ジュース、スパイスの5種類からなる成分を混ぜたもの。儀式の聖なる飲み物。

 ブランデーの最高級、「ナポレオン」はナポレオン二世誕生の時、コニャック地方のメ−カーが皇帝に敬意を表ししてその年のブランデーに"ナポレオン"の名を付けたのが由来。今では、仏蘭西に数あるブランデー会社が自社の最も高級ブランデーに付けた名前。仏蘭西の安酒メーカーも付けているので用心

 バーボンの名前は、当時のケンタッキー州バーボンの地に因んで付けられた。バーボンはフランスのブルボン王朝に由来、フランスからの移民や入植者が多かった。

 パンムス フランスで発泡性のブドウ酒のことをという。パンムスの中シャンパニュー地方で産したブドウを使ったものだけが"シャンパンー"という。それ以外は云わない。

 紹興酒(老酒)は、南宋の高宗が、金の侵攻を避けて、唐時代は会稽と山陰2県に分けられていた両県を一つにして、滞在したことを記念して、紹興元年(1131年)元号をまちの名前にした。
ここの鑑湖の水は良質で,銘酒は名水から生まれるを具現した良質の酒をいう。
魯迅、周恩来の出身地としても有名。


 には「硬質米」「軟質米」がある。"コシヒカリ""ササニシキ"軟、硬質米は硬だけで炊かないと美味しくないが、軟質米は他の米と混ぜてもササニシキの美味しさで包んでしまう。人間性もかくありたい。
多様性の時代、剛直より人を包み込む柔軟性が必要。

咀嚼回数
 縄文時代初期の一回の食事での咀嚼回数は2,850回以上弥生時代は1,950回 江戸時代は1,260回、現代、カレーライス400回
顎は小さく、脆くなるはず。

蕎麦の汁
 東京の汁はざる蕎麦などの「つけ汁」だから濃い、濃い口醤油、大阪の汁は「吸い物」の発想である。したがって薄い、飲んで口当たりがよく、柔らかいというのが、吸い物である。薄口醤油、
 因みに東京の料理は素材を生かす。単品発想であり(おでんと茶飯)大阪は味に工夫を凝らす。何種類かの材料を組み合わせる(かやく飯と粕汁)

蕎麦店の発祥は大阪
 豊臣秀吉大阪城、築城工事で全国から建築資材が集められ、巨石"長堀"材木"西長堀"砂、砂利"新町砂場"、その集積場には10万人を越える人足が集まり、食べ物屋が繁盛した。中でも、新町砂場蕎麦屋が有名で、"砂場"といえば蕎麦の代名詞になった。

味覚のローカル性
九州 麦味噌、醤油アミノ酸、豚骨ス−プ(骨髄まで煮出す)総じて甘い
関西 辛口大豆味噌、薄口醤油、だし煮干し、丸餅、カレーはビーフ味(近江牛、神戸牛)
関東 麹味噌、濃い口醤油、だし鰹節、角餅、カレーはポーク、ポークカツ、コロッケ。


お彼岸にぼた餅を食べるルーツ
 お米が「赤米」だった古代、収穫の喜びを表す儀式で、おにぎりにして食べる習慣があった。
「玄米、白米」になっても、その代用品として、小豆を赤米に見立て、小豆を混ぜた柔らかい餅を食べる習慣は続いた。この餅を「かい餅(お粥のように柔らかいから)」と呼んだ。
 印度語では、柔らかい餅のことを「ボタモンジュ」という。{ボタ=餅、モンジュ=柔}
 印度から伝来した仏教の儀式と、古代からの、お彼岸に収穫の喜びを表す儀式が結びつき、"かいもち"を仏に捧げ、"ぼた餅"と呼ぶようになった。
因みに「ぼた餅」と同じ種類の「おはぎ」は茶道の"秋の茶菓"「萩餅」からきている。




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