驚異的なヒノキの生命力

 「ヒノキのいいところは樹齢が長い。法隆寺の伽藍の材料が大体1,000~1,300年ぐらいで伐採されている。台湾には2,400~2,600年のヒノキがある。こんな長い耐用年数はヒノキ以外にはない。

 松で1,000年、杉で1,000~1,200年。ヒノキは1,000年たって一人前である。

 今度、新しく建てた薬師寺の西塔は今、基壇が高く、その上の塔も1尺高くなっている。しかし500年もたつと東塔と同じぐらいまで沈む。そして千年たって、東塔と西塔が同じ高さで並んでたっているだろう。」 (西岡常一)

 「1,300年前に建てられた法隆寺のヒノキの柱と山から切り出したばかりのヒノキの強さを比較して新し方が強いに決まっていると思うのは間違い。

 両者はだいたい同じである。ヒノキの強度は切られてから2~3百年の間に2~3割も上昇しそのあとゆるやかに下降する。法隆寺の柱も最高時ほどではないが、それでも新しい柱に負けない程度にまだ強い。

 バイオリンは古くなるほど音がさえるといわれるのも、こうした材質の変化で説明できる。名器として知られるバイオリンのストラディバリは17~18c北イタリアで作られた。今、われわれが聴くストラディバリは絶頂期の音色である。」 "緑の文明"千葉工業大学 小原次郎

1 薬師寺 宮大工棟梁


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