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青 梨 T @
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D おかあさま。 まだ、たったひとつきしかたっていないのに、もうずいぶん、博多に住んでいるような気がいたします。わたくし、順調に教育期間をすごしております。 いろんな人がいらして、見るもの聞くもの、みんな珍しくて、わたくし自分のことが大学卒業生だなんて信じられません。まるで、幼稚園から実社会へ出たみたい。 実社会っていえば、先輩のWさん(わたくしたちのアナウンスメントの先生です)から、「実社会なんていうんじゃないよ。きみたちにとって、ここは促成栽培の温室みたいなものだからね」っていわれました。わたくしたち、みんな憤慨しました。 九月になったら、すこしづつ”声出し”をさせてくださるそうです。それから運がよければ、テレビのCMの”顔出し”も。でも、これはお面がものをいいますから、ダメかも。同期のMさんは、ちょっとジュリア・ロバーツ・タイプなので、化粧品のCMに出られそうかも、といって野心満々です。 ところで、おかあさまのかねがねのご心配ご無用になさいませ。わたくし、男の子に魅かれませんもの、ちっとも。げんじゅうに見張っていらっしゃるおばさまも拍子ぬけのようですわ。 「ざっしょのくま」って、いいにくそうでしたけど、土地の人は、ざっしょ、ざっしょ、っていっていますわ。 おとうさまへよろしく。おとうさま、まだ九州行き、怒っていらっしゃいますか。 ではまた。
もとこ < 黒井 哲也 >
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