天 竜 川 下 り

平成5年3月   

  平成5年18日、浜松に宿泊。
 駅前の本屋で買った地図で検討を重ね、19日は、天竜川下りを行うことにした。
 19日5時起床。JR浜松駅の近くにある遠州鉄道浜松発6時8分の一番電車に乗る。

 浜松平野の懐は思ったよりはるかに広い。
 遠州鉄道は、市街を高架で走っているので展望がきき、北部には、幾重にも重なった山々が、奥に行くほど雪を被っているのがよく見える。
 山波は、左右に広がり尾根は次第に高度を落として真横まで伸びている。
 東北に富士山が見えないかと目をこらしたが霞がかかってよく見えなかった。
 6時40分、終点西鹿島に到着。ここで、天竜浜名湖鉄道に乗り換える、東に向かうとJR掛川に到る。西に向かえば、浜名湖の北端を通って豊橋に到る。
 西鹿島から天竜川の土手を浜松まで下ると20数キロしかない。1日の行程としては物足りない。
 6時50分、西鹿島駅前をスタート鹿島橋を渡って天竜川の左岸に移り、10分程で二俣城址に到着。ウォーキングで通りがかった、熟年男性にシャッターを押してもらう。  史跡散策コースを北に行き、天竜川に下って橋を渡り対岸を遡るとダムに出て、景観がいいと教えられる。時間はたっぷりある。勧めに従うことにする。
 天竜川は、幅も広く上流には幾つも(案内板によると6つのダムが建設されている)建設されているにもかかわらず水量が豊富である。 やがて「船頭峠」と白壁に大書された建物にでくわす。観光で有名な「天竜下り」の乗船場であった。
 「船明ダム」の堤体を渡りながらエプロンを覗くと、鱒だろうか大きな魚影が静かに動いている。細長い影は台湾どじょうかな!
 ダムの左岸に出て、国道152号をダムに添って更に北上する。
 途中、くり抜いた丸太を形取ったトンネルが面白い。トンネル横の道を通りダムの最上流に架けられた真紅の伊砂橋を渡って折り返す。8時05分。
 満々と水を湛えた湖面に朝日が映えている。
 帰りに遠回りをして、丸太をくり抜いたようなトンネルを通って見る。
 スタートして1時間、空腹を覚え用意の小倉パンを歩きながらぱくつく。
 ダムの横には、大きな市民運動公園がある。シーズンには、さぞ賑わうことだろう。
 国道152号を南下、船明の集落を通過。船明は何と読むのだろうか。
 途中、上臈塚に立ち寄る。高さ2メートルほど土を盛った上に祠が建っており、説明板に「長慶天皇第1皇女綾姫の墳墓と推定される」とあった。
 天竜市の中心、二俣町を駆け抜け、鹿島橋を渡って暫く行くと国道152号と県道の交差点に出た。里程標があり「浜松19キロ」とある。道路の左側にも里程標があり「浜松18キロ」となっている。なんたることか。いい加減な標識は、あちこちで見掛けるが、同じ所に距離の違う標識が立っているのは初めてのこと。
 国道に別れを告げて、天竜川の土手を1キロほど東に走ると、川は大きく右に曲がってほぼ一直線に太平洋に注いでいる。
 川幅も広がり、ところによっては1キロは悠にありそうな河川敷が続いている。
 土手には1キロ毎に河口からの距離標が立っており最初に見掛けたのは24キロの標識であった。
 1キロの時間を計ったら5分20秒、こんなに早い筈はないと再度はかったら5分30秒。本当かな!スタートから2時間を超えており、疲れも出ているのに・・・  下流に行くに従って、河川敷の砂利の中に雑木が生え、次第に茂みになっている。
 北浜大橋から下流の土手は生活道路になっていて、大型ダンプカーに混じって一般車の通行が増えて走りずらくなってきた。
やがて、 河川敷は整備され見渡せる範囲は全てラグビー場や野球場となった。
通りがかりの人に、広大な河川敷をバックにシャッターを押してもらう。
 東名高速道の天竜川橋のしたをくぐり、2キロほど下流の国道1号線の新天竜川橋の袂で、国道にのり浜松の市街地に向かう。時計は11時09分。
 浜松駅前のノッポビルを左にやり過ごし最終目標である浜松城を求めて西走するが、天守閣が見えない。尋ねながら行くと浜松市役所の大きな建物の陰にひっそりと、秀麗な姿があった。
 浜松の象徴「駿府のお城」が市街地から見えないとは、惜しい!!
 城の後ろに市役所を建てるとか、何とかならなかったのか・・・
 都市計画の貧困は、日本各地に共通のものであり、国民性によると思われる。
 福岡市も同じ。思いつきを地区々々に配しているだけ。天神は天神、川端は川端、ベイサイドはベイサイド。福岡市全体としてのデザインが欠如している。
 12時18分、到着。天守閣に登ったが霞で展望がきかなかったのは残念だった。
 6時50分、遠州鉄道の西鹿島駅をスタートした天竜川下りも無事に終了。

 浜松駅に戻り、下りの新幹線の模様を聞くと、本日、運転開始した「のぞみ」も空いている。名古屋発14時35分の15号と13時11分浜松駅発のこだまのキップを購入、幕の内弁当やビールを買って、こだまに乗り込む。
 250ccのビール2本、弁当1つ、茹で卵2こ、これで足りず、名古屋駅でビール1本、大きな竹輪1本、きしめん1杯でやっと空腹を満たすことが出来た。
 のぞみの内部は、航空機以上である。振動も少なく、時速270キロという早さを感じさせない。うつらうつらしている間に終点博多に到着。18時丁度。
 今回も思い出に残る、いい旅であった。


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