「目標は何キロにしときましょうか?」
「そうね、300キロかな」
「300?、400にしときましょう」と仲道さんが400キロで申告してしまった。
なにしろ、平成6年の走り込み大会で、472キロを走って以来、300キロに達した
月はなく、少ない月は101キロだった。
平成7年度は、公私ともに多忙を究め走りに割く時間がなかったと言えば、ちと大袈裟
かな・・・
かねてから念願であった、インターネットのホームページ作りに本格的に取り組もう
と考えていたので、走る時間が取れるかなと心配であった。そんな訳で、頑張って300
キロ、下手をすると200キロがいいとこかなと思っていたのが、成り行きで400キロ
となった。
走る時間を作り出すために、片道ランニング通勤(14キロ)を始めた。
しかし、ホームページ作りが面白くて、明け方の3時、4時、5時まで作業をすること
が多かった。
10日の体育の日に、遠出をしたいとコースを幾つか考えていた。
9日(水)はCADの勉強会で、後の情報交換会が弾んで(何日ものことだが)ぎりぎ
りで最終電車に間に合い帰宅したのは12時少し前であった。
10日の目覚めが遅かったので、遠出の候補のうち、一番距離の短い山陽道に決めた。
JRの下関で下車。ここから東に向かって行ける所まで。
下関駅を9時半にスタート。
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| 駅前地下道の壁画 |
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下関〜宇部岬約50キロ。自宅からJR筑前新宮駅の往復6キロ。合計56キロを稼いで
、上旬は5日走って112キロとまあまあの成績。
遠出を計画する。
1.鹿児島本線の八代から串木野までの約120キロ
鹿児島出張の帰りに串木野まで雨の中を走った。また八代市に出張の際も
熊本まで走ったし、熊本から福岡までは2回に分けて走っているので、八
代〜串木野間が切れている。
2.長崎本線の肥前山口から長崎までの約90キロ
サロマ湖100キロマラソンの予行練習として、わが家から長崎本線沿い
に武雄温泉までの103キロを走ったことがある。肥前山口はその途中に
ある。
25日(金)の夕方から降り出したが、26日には上がるという予報に、26日起床後
の模様次第で1案にするか2案にするかを決めることにして床に着く。
夜中から強くなった雨は、朝方まで残っていたが、次第に明るくなり、テレビの予報で
は天気になるという。
そうだ、26日の夜は満月だ。中秋の名月である。9月の名月より10月の月のの方が
名月である。「つきづきに つきみるつきはおおけれど つきみるつきは このつきのつ
き」と歌われた月である。
名月をお供に従え、夜通し走るのも一興である。
昼過ぎに家を出る。
14時50分。肥前山口駅をスタートし、国道207号線、長崎街道(多良通り)を南
下する。8分程走ったところに「長崎90Km、鹿島14Km」の標識があった。
この辺りは白石平野が広がり米どころ。半分以上は取り入れも済んでいるが、黄金の頭
を垂れて取り入れを待っている田も残っている。
そんな風景をカメラに納めたりしながら、のんびりと初めてのコースを楽しむ。
街道の面影はまったくない。東海道は、宿場にはそれなりの面影が残っており観光地と
しても整備されているところが多い。
鹿島市の商店街を通ったが街道の面影は見られなかった。
17時40分、夜の帳が下りはじめた頃、満月が表情ゆたかに優美な姿を現した。
明かりが有明の海面に映えて幽玄、えもいわれぬ風景である。
対岸の灯は、大牟田だろうか。
日没とともに気温が下がってきた。
大きな建物の軒先を借りて、夜の身支度を整える。
反射テープのついたチョッキを着、リュックに赤い点滅灯を付け安全対策を怠らない。
19時前、通りがかりの食堂に入り、ビール1本と親子丼を注文する。
ウルトラマラソンマラソン大会の途中でビールを飲む人が多くなっている。疲れがどっ
とでるのではないかと心配で、勧められても断っている。雑誌などにも途中のビールの有
効性を書いたものもある。飲んでいる人は、活力がでて調子が良くなるという。
テストケースとして嗜んでみたが、喉が潤い、食欲も出たし、その後特にビールを飲ん
だからきつくなったと感じたことはなかった。
これからは、飲もうっと。へへへ
国道と平行して長崎本線が走っているので、気が楽である。
ばてたりしても最寄りの駅で仮眠もできる。
大浦駅でトイレを借りる。無人駅のようであっが、小さな待合室には、マンガ本や週刊
誌と並んで、英和辞典や漢字辞書があったのには驚いた。凄い勉強家がい1のんだと。
21時過ぎ、長崎県境を越える。
バス停が、スイカやメロン等をあしらった小屋になっている。カボチャ、トマト、イチ
ゴ、ミカンなどがあった。この次は何だろう?と楽しみであった。
対岸の灯が近くなって諫早市に入る。よろも更けたというのに交通量はいっこうに減ら
なず、車道は危なくて走れない。歩道は側溝の蓋一枚の幅。凸凹しているのて躓きそうで
走れない箇所が多かった。
国道は、諫早から34号線に変わった。
長崎市に入るには3つのルートがあるが、道路標識に従って南側のルートをとった。
日見トンネル(全長640m)を抜けると長崎市内の灯や稲佐山のアンテナ群の灯が展
望できるようになった。
6時10分、長崎駅に到着。夜通し足元を照らしてくれた満月が、丁度駅舎の上の稲佐
山に隠れるところであった。
「お月さん、有り難う。お陰でロマンチックなジョギングができました」
走行距離は道路地図により88キロとする。
28日以降、ラン通で稼いで下旬は228キロとなる。
月計は451キロと、目標突破。まずは目出度し、目出度し。
仲道さんが400キロと申告してくれたお陰である。そうでなかったらホームページ作
りを理由に200キロがいいところだったかも知れない。
「有り難う仲道さん」
この勢いを続けて、月間300キロをキープできれば、来年の「さくら道」の3度目の
完走も夢ではなくなるのだが・・・
平成8年10月31日記