平成10年4月5日に開通する世界最長3,911mの吊り橋、明石海峡大橋の開通に
先立って国民に楽しんでもらおうと、いろいろなイベントが計画された。
21日、開会式に続き全国から集まった8万人が「ブリッジウオーク」を楽しんだ。
21日から9日間にわたって行われる橋上のウオークの参加者は35万人の応募者の中
から抽選で選ばれた。
22日には14,000人が走る1/2マラソン、1/4マラソン、1/10マラソン
駅伝と8万人のブリッジウオークが開催された。
今世紀の快挙、明石海峡の架け橋、この橋は是非とも走りたいと念願していたところに
平成7年の塩の道で一緒だった游さんから、本大会の案内が届いた。1も2もなく申し込
んだ。
前日の21日、新神戸に15時に到着。その足で宿泊地からの所要時間の測定も兼ねて
現地の下見に赴く。JRの三宮駅から舞子駅まで快速で約20分、以外と近い。
舞子駅近くから眺めた明石海峡大橋は、若草色のアーチと橋塔が周囲の風景と調和して
美しい。
跨線駅の舞子駅はウオーキングの帰りの人達でごった返していた。海辺に下りてゆっく
りと世紀の橋を観察、何枚もカメラに収めた。
翌日のマラソンの受付やスタート地点を点検。
本州側は、橋を渡るとすぐトンネルに入る。そのトンネルに入るところに大きな扉があ
り、ここからイベント参加者は出入りしている。
扉を入ってやや奥にレンタルトイレが数10個設置されており、
さらにその奥が荷物置場になっている。神輿が5、6台あったが開通式の折りに景気を付けたのだろう。
一応の下見を終えて、予約していた神戸タワーサイドホテル(中央区波止場町)に戻る
。
22日、7時半に目覚める。少し寝坊し過ぎたかな。
急いで朝食をとり宿を出る。
JR三宮駅では「本日は乗客率200%で運転しております」とアナウンスしていた。
ランニングやウオーキングスタイルの乗客でホームは溢れ返っている。
やっとのことで乗り込んだが、駅に停車する度に乗客は増え積み残しを出る有り様であ
った。舞子駅で降りたのは9時近かった。改札口を出ると「みのさん」と声がする。大阪
の宮内もみさんであった。友達を待っているというもみさんを残して受付に急ぐ。
途中で、人の流れが乱れているところがあり、覗いてみると京都の井上さんが「後醍醐
天皇・・・」の案内を配っているところだった。彼は最近博多にもよく仕事できており、
西中洲のスナック「あら津」で会ったりもしている。挨拶すると、「今から仕事に行くん
やねん」といっていた。
RCチップを貸与するコーナーも身動きならぬ混雑ぶりである。今回は、時間にこだわ
らず、のんびりと1度しかないチャンスを十分に楽しみながら、ホームページようの取材
を目的に参加したので、チップは必要なし。
トンネルに入ると、トイレに並んだ人達が道路を塞いでおり通れない。やっとの思いで
荷物置場に到着すると、スタッフ達が「9時半にスタートするゼッケンCのランナーは、
急いでスタートラインに行ってください。スタートラインまで10分はかかります」と叫
んでいる。時計は9時10分になっていた。トイレの列の間隙を縫ってスタートラインに
向かう人、荷物置場に向かう人が押し合いへし合いで進めず10分以上かかってスタート
ラインに到着した。トイレに並んでいた後ろの方の人達や、荷物置場に向かっていた人達
はスタート時間に間に合うのかと他人事ながら気にかかる。「スタート時間に間に合わな
い人は、そのままスタートして下さい」とアナウンスしていた。
集団の中程にもぐりこむ。誰か知った人はいないかときょろきょろしながら大勢の人混
みを写真に撮る。
9時半、号砲1発。ゆっくりと動きだす。
天候は、雲が多く日差しがなく風は穏やかで走りやすい状態である。遠方が霞んでいる
のが残念である。
マラソンコースは下り車線。上り車線にはウオーキング人達が待機している。
急ぐ人を先にやりながら走っていると、篠田雲峰さんの後ろ姿が目についたので、追い
つき声をかける。お互いに写真を取り合ったあと、近況を話しながら走る。
中央分離欄干に游さんがいた。本大会の案内を送ってくれたお礼を述べる。既に10K
mを走り、ハーフを見送っているところとか。この間に雲峰さんを見失ってしまった。
スタッフを捕まえて記念写真を撮ってもらっている人が多い。
橋体を吊っている若草色の巨大なロープが、なだらかに弧を描いて実に優雅な雰囲気を
醸しだしている。海峡には観光船や貨物船が行き交い白い航跡が美しい。
振り返ると山全体に高層ビルに立ち並んでおり緑はところどころに僅かに残っているだ
けである。山手のビルはみんな高級マンションなのだろう。
それに引換え淡路島の方は、大橋の左右に小さな港がある程度である。この橋の開通に
より急速に開発されることになるのだろう。
島に渡ると、山を切り開いた道路は緩やかながら長い登り坂となる。
島から本土に向かうウオークラリーの人達が長い列を作って待機している。それぞれ前
と後ろにゼッケンを付けた老若男女の群れが楽しそうである。
10時15分過ぎ、早くもトップが折り返してくる。風物をゆっくりと楽しむのも可。
一度しか走れない記念すべきコースで自己の記録を更新するのも可。いろいろな走り方が
ある。
何やら丸っこいモニュメントがあり横には三角が建っている。それは135°子午線の
記念碑であった。立ち止まって写真を撮影している人も多かった。
左手の海は霞み、雲か山か呉か越かといった状態だが、目を凝らすと、彼方に紀伊半島
が浮かんでいる。
10時13分、折返し点に到着。5Km余を43分とは、のんびりし過ぎたかな。
折り返して間もなく「みのさ〜ん」の声。宮内さんだった。
子午線で写真を撮ろうと待機する。立ち止まっていると、いろいろな人が「写真撮って
下さい」「シャッター押して下さい」と寄ってくる。その間に宮内さんを見過ごしたのか
も知れない。7分待って子午線を離れる。
大橋の近くに戻ると上り車線は、淡路島からのウオーキングの人達で溢れていた。
橋塔をバックに写真を撮ったりしながらゴールインした時のタイムは2時間38分であ
った。
またしても「みのさーん」の声。宮内さんだ。
「あれ〜、いつ追い越したの?」「子午線でお友達と写真撮ったりしてたとき」「なん
だ、貴方を待ってたのに」「友達の子供さんがまだなので待ってるの」「スタートは間に
合ったの?」「7分過ぎてました」
ぱらぱらと雨が落ちだした。「では、さくら道で会いましょう」と別れる。
トンネルの中はマラソンとウオーキングの人達でごった返していた。荷物をとって人垣
をかき分け出口に向かっているとは雲峰さんから呼び止められた。「仲間と一緒なのでこ
こで失礼するから」と二人並んで写真を撮ってもらう。
雨の中を駅に急ぐ。道路の側に荷物を置いていた人達、外で弁当をとっていた人達は思
わぬ雨に大慌てである。舞子の駅もごった返していた。切符販売機へのアクセスを制限し
たり駅員も大勢出ててんてこ舞い。
新神戸を1時20分の新幹線に間に合った。
缶ビールと幕の内で一息付いて博多まで眠りこけてしまった。