平成12年7月29日10時過ぎ、広神戸(ひろごうど)駅に10数人が大きな荷物を持って降りた。2000夜叉ヶ池伝説マラニックに参加するウルトラランナー達だ。顔見知りの人も多い。
 その中に、福岡から来た柳さんもいた。ネットでは知人であるがお目にかかるのは始めて。
 受付を済ませ、外に出ると、夜叉龍が運ばれて来て、広場で練習が始まった。見物しながら写真をとる。
 会場に入ると開会式は始まっており、遠来者として福岡からの参加者が呼ばれていた。慌てて演台に上がる。他に宮崎県から1人呼ばれた。福岡からの参加者は9人呼ばれたが5人は知らぬ人。
 最高齢者は愛知県の69才の人。最年少者は福岡の柳(24才)さん。表彰者には地場産のワインが1箱(2本入り)づつ配られ、バラの花を自宅に送る由。柳さんはワイン2箱でご満悦。
 式が終わり外に出ると、広場で夜叉龍の舞が始まった。太鼓や鉦の音に併せて龍が練り歩き、最後は夜叉姫を巻き込んでの圧巻。迫力充分、見応えのあるクライマックスだった。写真もばっちり撮れた。
 福岡から参加の皆で写真を取りたかったが、顔見知りの5人で撮ってもらった。

 13時、号砲一発、大きなどよめきと共に動き出す。
 日吉神社の正門で左折、また左折して神社に沿って走り、夜叉堂に向かう。夜叉堂は夜叉姫誕生の地、ここでそれぞれ安全祈願を行なって、当日のゴール、坂内小中学校体育館へと向かう。
 第1エイドの側に神社がある。天満宮である。拝殿は吹きさらして質素である。神殿は一段と高くなったところに、小柄ながら流れ造りの立派なもの。
 今回は、賢明に走ることよりも周囲の風物を楽しみながらカメラに納めることを目的とした。元旦に三社詣でをした。毎年のことであるが、何故か今年の三社詣でのあと、猛烈に興味が沸いて今後の研究テーマに神社を加えることに決めた。それからというものは、暇を見ては近隣の神社を参拝し、拝殿神殿を前から横からいろいろな角度でカメラに納めた。
 夜叉ヶ池伝説マラニックへの参加も、コース近くの神社も調べたくて参加したようなもの。
 霞間ケ谷の土手を登って行くと正面に大樹の影に鳥居が見える。「おーい、こっちだよー」の声を聞き流しながら鳥居の方に走る。横の巨石に「初助宮、神明神社」と彫られている。木造の鳥居は朽ちかけていた。
 後ろから千田さんが追って来た。30分遅れでスタートしたとのこと。30分遅れを10kmで追いつくとは早い。それともこっちが遅いのか。エイドでボランティアをしている山口100萩往還マラニックの主催者、小野さんと、ランナー1人と写真を撮ってもらう。
 暫く行くと右手に赤い木造の鳥居が重なるようにして建っている。お稲荷さんだ。腐りかけたものが多く神社名も読めない。商売繁盛を祈願して立てたのであろうが、先々も責任を持って保守して貰いたいものだ。小さなお稲荷さんの中には、廃墟に近いものがあって、近寄るのも嫌なところがある。
 先程一緒に写真に写した、肥満体で黒のランニングを着た人と、抜きつ抜かれつの状態が暫く続く。私は、下りは走って上りは歩くのだが、彼は上りも下りも同じテンポで走り続けている。従って下りで追い越し上りになると追い抜かれる。千田さんは先に行ってしまい、我々2人が最後尾である。
 左の一段と高くなったところに階段があり立派な鳥居があり奥にも階段があって拝殿がある。鳥居の横の大きな石柱に「村社神明神社」とある。  5時50分、左手の田んぼの中に、こんもりとした杜があり、その中心に祠が見える。昔から鎮守の森の神様として親しまれているのだろう。手入れが行き届いているように見える。
 あまり距離をおかずに道の側に祠があり「稲葉神社」と銘があった。鳥居はないが立派な常夜灯に狛犬がそれぞれ1対ある。
 黒ランニングの人は、の姿が見え隠れしているので、追いつこうと頑張ったが駄目だ。西平ダムを過ぎた地点(約20km)で16時半であった。これ以上頑張ってもサポート車に迷惑をかけるばかりなのでリタイアを宣言、車に乗せてもらい、懸命に走っている人を追い越しながら体育館まで送ってもらう。西平ダムから体育館までの間にいくつかの神社があるが、またの機会にしょう。

 18時10分、体育館に到着。体育館の前の空き地で車座になって飲んでいる人達がいる。顔馴染の梅野さん、山田さん、八重樫さん達である。仲間に加わる。これがあるからウルトラは止められない。
 18時16分、福岡の石田さんがゴールイン。2分遅れて菊地さんが到着。
 先に着いていた柳さんを誘って石田さんと3人で堀内川のほとり、体育館の裏にある清流荘で汗を流して夕食を取る。揖斐川の鮎の塩焼きが2匹、定番になっている。ビールの肴にはもってこいのご馳走。
 20時近く体育館に戻ると、梅野さん、山田さんに松倉さん、若穂井産も加わって宴もたけなわである。
 明朝の食事として握り飯3個、バナナ2本、オレンジ1個が配られる。1人に1枚配られた毛布に身を包んで就寝。夜中に眼を覚ますと雨が屋根に当たって大きな音を立てている。

 2日目、2時半起床。岩田さん、越田産を見つけて記念撮影。
 雨は降ったり止んだりの状態。スタート時間が迫るにつれて雨は上がり出した。
 3時半、暗闇の中を元気に飛び出す。川上集会所を過ぎて8km位のところに夜叉竜神社があった。鳥居と解説板をカメラに収める。
 6時半早くもトップが戻って来る。各地点に関門があり第一関門は林道終点で7時10分。それまで地林道主点に着くのは極めて難しい。今回は、夜叉ヶ池の写真を撮るのも大きな目的である。何としても、7時10分までに林道終点に到着したい。最後部でサポートしている石原さんに無理やり頼んで林道終点まで送ってもらう。
 林道終点の夜叉龍神社の大鳥居前で6時32分、下ろしてもらう。
 山路を登ったり下ったりしていると後ろからヤナ(柳さんのハンドルネーム)さんが追いついて来て「いつの間に?」と驚いている。矢野さん、石田さんも追い越していった。
 やがて前方に黒々とした岩の絶壁が現れた。夜叉壁である。絶壁の左手の鞍部の稜線が福井県との県境。その向こうに夜叉ヶ池がある。
 7時半過ぎ下って来る千田さんとすれ違う。樹木がなく地表がむき出しになったところがある。水が染み出し滑りやすくコース最大の難所。安全のためるロープが張られている。林道終点のエイドで支給された軍手が役に立つ。
 強い風が下から吹き上げてくる。途中、多くの顔馴染とすれ違う。

 7時50分、夜叉ヶ池に到着。待っていてくれた石田さんと夜叉龍神社の前で記念撮影。石田さんに先に下って貰い、池の周囲を調べることにした。左手を水際に沿って進むと高さ40cm位の小さな龍の像が建っており賽銭箱や蝋燭台が置かれている。それ以上はけもの道になっていたので先に行くのは止めた。
 強風に煽られて湖面が時折ざわめき、竜神が立ち登るのではと思わず身が引き締まる。湖面全体が見えるところはないかと稜線を南に上りかけたが、強風に飛ばされそうになっる。せめて、福井県側の山々が見えるところまでと、這うようにして登りかけたが、強風に諦めた。20分程、周囲を調べて下山。またまた最後部になってしまったようだ。下山の途中で出会ったのは、西尾さん、石原さんなど車で最後尾でサポートしていた人達だけだった。
 途中、一筋の白い流れが目にとまった。小さな滝壷の側に立て札があって「幽玄の滝」とあった。
 林道終点のエイドステーションには、数人が休んでいた。昨日の黒のランシャツの人達4人がここでリタイヤ。ここから車でゴールまで送ってもらう。
 10時過ぎ、神戸町の公民館に到着。続々ゴールインしてくる人達を迎えながら、石田さんを待つ。14時過ぎ、皆との別れを惜しみつつ帰福する。福岡から参加した他の人達はどうしているのかと心残りであったが・・・。





坂内村の若衆と一緒に 夜叉ヶ池伝説道中祭 春日局の出生地

体育館にゴールインする石田氏 同菊地氏 最年少の柳氏、小生、石田氏

?、鈴木さん 体育館でのゴロ寝の状態 岩田氏、越田氏、小生

松倉氏、芦田氏、福井さん 浅井氏 夜叉ヶ池でエイドを開いていた三人組

千田氏 成瀬氏 石原氏(右) 西尾氏(後ろ)

尾崎さん、小生</td> 三木氏、野村さん、三浦氏、?

長谷川氏のゴールイン 八重樫氏のゴールイン 若穂井のゴールイン

小生、成瀬氏 花本氏のゴールイン 岡田さん、中平氏

小生、菊地氏 門氏、岡村さん 夜叉ヶ池での小生


あとがき

 平成12年の元旦に三社詣でをしたときに、神社について調査をしようと決めた。1kmも離れていないところに同じ名前の神社がある。一か所や二か所ではない。それは何故なのかと以前から感じていた。
 神社に関する本を何冊も買い込み、読んでみると神社の神殿や鳥居などにいろいろな様式があることが分かった。以前は正面からしか撮ってなかった写真を、いろいろな角度から撮り、同じ境内にある幾つもの神社(摂社、末社)についても調べた。
   今回の夜叉ヶ池伝説マラニックに参加して、コース上の10社についてカメラに収めることができ、参加目的は充分に果たせた。平成12年、1年間で100社以上の神社に詣でて資料をあつめた。今年も福岡県内の神社について、できる限りの調査をしたいと思っている。調査結果はいずれ、まとめてホームページで発表したい。
 このページを作るに当たって、夜叉ヶ池伝説マラニックの事務局から配られた地図を調べて驚いた。神戸町、池田町、揖斐川町になんと100以上の鳥居の印が付いている。1km四方の中に4、5の神社が集中している。神社名、祭神、由緒等を調べると面白い結果が得られるのではないだろうか。機会を見つけて再度訪れたいものである。
  


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