10月21日(火)
長かった空路も終わりに近づいた。窓からは暗闇に浮かぶオレンジの光りが筋になって
遠くまで延びている。
6時ロンドン空港に到着。成田を発って16時間半で大英帝国の首都ロンドンに着いた
。初めての外国に緊張して足を踏み出す。
ロンドンは これでもか これでもかと 塔が建ち |

カンバーランドホテルで休憩したあとハイドパーク、アルバート記念塔、バッキンガム
宮殿を観光してハイドパークに戻り、サーペンタイン湖のほとりのレストランで昼食をと
る。
午後は大英博物館、ロンドン塔を見学。
注1. ハイドパーク:ロンドンの代表的公園で160万平方メートル、西に続く
ケンジントン・ガーデンと合わせると270万平方メートル、16世紀にはヘンリー8世
が鹿狩り場として使った。
園内には車が入らないのでとても静かでありリスが餌を求めて走り廻ったりしている。
注2. アルバート記念塔:ケンジントン・ガーデンの 南端に建てられているゴシック風の記念塔、ビクトリア女王が夫君アルバート公のために建てた。
注3. バッキンガム宮殿:現在の女王エリザベス2世の 宮殿。常時警備に当たっている近衛兵の交替の儀式が4〜9月は毎日、その他の月は1日おきに 11時頃から行われているが幸運にも行き合わせた。実に優雅な風景である。ロンドンに来たと いう実感が湧いてくる。
B>注4. ロンドン塔:シティーの東はずれにそびえる
ロンドン随一の観光名所。もともとは 城砦、宮殿として使われていたが政敵や国家的犯罪者
を幽閉したため陰鬱な歴史の方が有名となっている。ミドル塔、バイワード塔など10本ちか
い塔が建ち並んでいる。
アルバート記念塔、ロンドン塔、ウエストミンスター寺院、国会議事堂など、いろいろ
な塔が錐のようにそびえ、高さを競い合っている。塔は権力のシンボルだといわれるが、
よくもまあこんなに多くの塔を飽きもせず建てたものだと感心する。
ロンドンの冬は霧の都とうたわれ、イギリス紳士にこうもり傘は欠かさないアクセサリ
ーであったが、煤煙禁止条例によって冬でも晴れた日が多くなり緑も鮮やかになった。
冬の霧は、実は暖房用の石炭の煙が原因で、町中が黒くすすけてしまった。そこで主要
な建物のすす落としを、砂のジェットをぶつけて石材の表面を削りとる方法で実施してい
る。
市庁舎やウエストミンスター寺院の外壁にうす黒く汚れたところと、切り出して来たば
かりのように美しいところがあったが、そのためであった。
17時過ぎホテルに戻る。
ホテルはハイドパークの筋向かいだしリージェントパーク
にも近くバッキンガム宮殿のグリーンパークにも近い。テームズ河も遠くなく、ジョギング
コースにはことかかない。
夕食の集合までに1時間ほど時間がある。ヨーロッパにおけるジョギングの第1歩であ
る。弾む心を抑え、急いで着替えて飛び出す。
ホテルの後ろに、のっぽビルがある。これを目印にして、地下道を通って筋向かいのハ
イドパークに渡る。地下道ではヒッピー達がギターを弾いていた。
オックスホード通りに並行している公園の内側のマロニエの並木道を走る。落ち葉がか
さこそと鳴る。
公園といってもマロニエやすずかけの大木で森と変わらない。
目印ののっぽビルはとっくに見えなくなっている。午前に見たアルバート記念塔がライ
トに照らされて雄大な姿を輝かせている。
サーペンタイン湖の南側を走りながら時間があるので遠回りして帰ろうと右折して少し
走ると森が開けて目の前にのっぽビルが姿を見せたので変だなとは思ったが、ビルの周り
でホテルを探す。ホテルは見つからず、いたずらに時間が経過する。
この通りを以後何度となく通ったが、間違えたビルはハイドパークの東南端にあるヒル
トンホテルであった。
Where is カンバーランドホテル? で帰り着き |
ビルの前を掃除している老人に、思い切って
「Where is the カンバーランドホテル?」
初めて使う実用英語である。通じてくれればよいがと祈る思いである。
「カンバーランド?」おう通じた。
「イエス、イエス、カンバーランドホテル」
「ジス ウエイ ゴーツー ストレイ」
「真っ直ぐ行けば、3000フィート位だよ」
この時は老人が仏に見えた。
しばらく走ったが目印ののっぽビルは見えない。
不安になってボーイをつかまえて
「Where is the カンバーランドホテル?」
大したものだ。またも一発で通じた。
「この道を真っ直ぐ行くといいよ、歩いて30分位だね」
「サンキューベリマッチ」
歩いて30分なら走れば10分、集合時間にはぎりぎりセーフだと一目散。5、6分走
ったところでマーブルアーチが見えた。その向こうにのっぽビルもある。
部屋に着いたのは集合時間の10分前、シャワーを浴びる暇はない。初日から団長が遅
刻していては面子に関わる。汗を拭く間もなく一張羅に着替えてロビーに降りる。私が必
死で異国のたそがれの中を走り回っていたとは誰も知らない。それでいいのだ。いずれ時
期を見て発表することもあるだろう。
近くのレストランで最初の晩餐をとったが、その時のビール、ワインの美味かったこと
は一生忘れないだろう。疲れもたちどころに治った。
17時40分〜18時20分。約10キロ
10月22日(水)朝
4時半起床、用意をして外に出る。
曇、手袋が欲しいが部屋に戻るのも面倒だし我慢する。4度位か。
ケンジントン・ガーデンの西端を廻ってアルバート記念塔の前を通り、ハイドパーク南
端を走りバイロン像から北上、マーブルアーチに着いたのが5時33分で、少し早いので
ハイドパークの中を適当にジョグる。昨日の昼に見えたリス達もねぐらにもぐっているの
だろう。
4時45分〜5時45分 約10キロ
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10月22日(水)午後
ケント県電算処理センターを訪問しての帰り、途中の英国風の
洒落たホテルで昼食をとり、2時過ぎロンドンに戻った。
皆はショッピングに出かけたが、1人別行動を許してもらった。
| タクシーは 行き先聞いて ドアを開け |
| 筑後人 異国の空で 懐かしく |
4階の受付には大柄な美人がいた。
「田中さん、おられますか」
待ち構えていた田中所長が現れた。筑後出身の中肉中背
の好男子である。
変な恰好(ジョギングスタイル)で現れたことを詫びて、土産の八女茶を進呈する。
英国人の食事のこと、タクシーのこと、女性のこと、グルメのこと、ショッピングのこ
と、世界経済のこと等々、30分程懇談して辞退した。
ロンドン美人が入れてくれた八女茶の味は格別であった。
ビッグベンの 鐘の音聞きつ ジョギングす LASDECの 海外研修で |
ウエストミンスター橋を
渡って右岸に移る。全長350m、四角のアーチがあり美しい。
| バタシーで カラスに餌をやる 老人の影 |
バタシーパークを通り抜ける。湖があり鴨やあひる、白鳥などが遊んでいる。湖の周囲
の道は、鳥の糞で足の踏み場もない。次の広場では、黄昏の中で、カラスの群れに餌を投
げ与えている老人の姿が印象的であった。
| 記念碑に 橋に名残す アルバート公 |
アルバート橋の中央で太陽が沈むのを待って写真を撮る。1つ上流のバタシー橋の真ん
中で高層ビルの谷間に沈む太陽、赤く染まったちぎれ雲、我を忘れて見入る。
夕食の集合時間が19時となっていたので、ゆっくりもできず、アルバート記念塔に寄
ってハイドパークを通り抜けてカンバーランドホテルに18時30分丁度に戻る。16時30分〜18時30分 約14キロ
10月23日(木)朝
今井課長とリージェントパークを走る。市街の北西部に
ある広大な公園でハイドパークと並んで大きい。芝生一面の公園にはいろいろな種類の愛犬
を連れた人達、主に老人が朝の散歩を楽しんでいる。
| ロンドンで 朝日夕日を 拝みジョグ |
真っ直ぐ北上してロンドン動物園に行き当たり左に大きく曲がってリージェントパーク
湖のほとりを走る。白鳥、アヒル、鴨なども目を覚まし動き出した。中央のクインメリー
ズ・ガーデンに出て彫刻を眺めていると、木立から柔らかい日射しがさしこんできた。
ロンドンの冬は天気がわるい日が多いというのに、夕日や朝日が拝めるとは幸運である
。
7時〜8時10分 約10キロ
10時からLAMSACを表敬訪問する。