夏は、夜10時頃まで明るい。冬は4時半には暗くなる。今は7時半。
いろいろと聞きながらバスはクインエリザベス公園に着く。
大きな窪地に見事な花園がある。何か掘ったあとを花園にしたものでサンクン(沈下し
た)ガーデンというそうだ。
バンクーバーのダウンタウンのビル群が彼方に聳えている。絵本から抜けて出たような
木々に囲まれた可愛い家が集まった町もある。
ロンドンやパリでは見られなかった風景で
ある。その展望をバックに並んだ3人と、写真を取ろうとしているカメラマンの銅像があ
り、それをまた背景にして写真をとっている観光客、面白い取り合わせだ。
バンクーバー発祥の地ガスタウンに寄る。15分おきに蒸気を吹き出して汽笛が鳴る大
きな蒸気時計をバックに記念撮影をする。北バンクーバーでビール会社を創設して財を成
したスタンレー卿の銅像も見る。
小雨降るスタンレー・パークは、何となく旅情を誘う。8本のトーテムポールの前で
全員で記念撮影。
8つ切り版で15$、希望者だけ注文する。
公園を一周してHYATT REGENCY VANCOUVERに落ち着く。
ジョギンギの準備をしてきた中島氏は、今年3月まで埼玉県の坂戸市でマラソンなどの
世話をする職場にいたとかで、坂戸マラソンのTシャツを2枚持ってきてくれた。お礼に
持ち合わせていた筑豊さわやかマラソンのオレンジカードを進呈した。
彼は32才の誕生日に体力の衰えを感じ、翌日からジョギングを始めて、それから丁度
4年になるというから36才の筈である。
ハワイでは是非一緒にホノルルマラソンコースを完走したいものだ。
・11日朝 バンクーバーのバラード・ストリートを走る
5時、携帯した目覚ましの音で起床。ロビーで中島氏と落ち合って5時45分、スタン
レー・パークに向けてスタートする。
中島氏は短パン半袖にリユックを背負って、私は長ズボン長袖にウエストバッグを腰に
付けたスタイルである。
ホテルの前の道路を1.5〜2キロで公園の入口に達すると見込んでいたが、前日観光
したとき見えたヨットハーバーが見えない。おかしいねと話しながら直進すると、長い橋
に出た。「こんな橋あったかな」「なかったな、まあいいや真っ直ぐ行こう」といいなが
ら街外れに出る。どうも90度間違えたようだ。
街灯のオレンジ色の明かりが、走るには充分である。
車道は4車線。その両側には杉の一種が高く聳え、広い歩道には短く刈り込まれた芝生
が絨毯のようだ。道路から10m位ひっこんで、瀟洒な住宅が並んでいる。
なんでもこの辺りは法律で家の表を一直線にすることが定められているとか。半地下の
上の階に玄関があり、2階または3階になっている。
庭の芝生は手入れが行き届き、数本植木があるが垣根とか塀はない。解放的で感じがい
い。住宅もない町外れになって、街灯もなくなったが、満月が明るく不自由はない。
ロイアル・ヨットクラブがあり、道は大きく左に曲がる。突き当たりは公園でその向こ
うは海である。約30分を経過した。公園の看板の前で証拠写真を撮って引き返す。
帰途、大きな電光板があり13度を示していた。短パンは寒い筈だ。
7時2分、ホテルに帰り着く。走行距離10キロ以上。
地図で調べたら、バラード・ストリートだった。
・11日午後 バンクーバーで スタンレー・パークを走る
午前中、最初の訪問先であるブリティッシュ・コロンビア保険公社を訪ねる。
午後は、自由時間。前日の午後、市内視察のときは、傘がいらぬ程度の小雨であった
が、朝は雲ひとつない上天気、午後は再び雨である。
『女心と秋の空』とよくいうが、日本の秋空は安定しており、この句の実感が掴めな
い。バンクーバの空は、まさにこの句の通りである。雨は上がりそうな気配となった。
中島氏は誘ったが、雨が降っているからと休養をとる。
<カサコソと カエデ踏み分け スタンレー>
スタンレー・パークは、 北バンクーバーにビール会社を作って成功したスタンレー卿
を記念して作った公園であるが、周囲が約9キロ、かなり大きな半島である。公園までの
往復が3キロ、合計12キロである。
雨に濡れたヨットハーバーは港町コペンハーゲンを思い出させる。
トーテムポール・パークは、昨日、全員で写真を撮ったところ。ブリティッシュ・コロ
ンビア州の各地から集められた大小8本のトーテムポールが色鮮やかに立っている。芝生
の上を大きなリスが、チョロチョロと餌を漁って走り回っている。
カナダの象徴である楓の大木の並木。楓の落ち葉を踏んで、秋雨に濡れながらのジョギ
ング、乙なものである。外国人には、逆回りする人が多いようだ。皇居の周囲でも逆回り
しているのは外国人である。
その方が面白い。すれ違って「ハロー」といえば「ハアーイ」と返ってくる。無言で手
を挙げて行く人もいる。傘をさして散歩している老人もいる。
午後9時に号砲をならして沖の漁船に時を知らせたという大砲(ナイン・オクロク・ガ
ン)が囲いの中に安置されている。
公園の1番外側に舗装された自転車道と歩道がある。外側の石垣に銅板が埋め込まれて
おりマイルとキロメートルの2種類の表示がある。また、ペンキの逆回りの表示もある。
コペンハーゲンの人魚姫になぞらえて作られたという人魚が水中に置かれており、その
近くに、かって太平洋航路で活躍したカナディアン・パシフィックの豪華船エンプレス・
オブ・ジャパンの船首飾りが置かれている。
車道は歩道より幾分内側を通っている。
車道の下に、目立たないようにトイレがある。丁度催してきたので使用した。綺麗に掃
除されていて気持ちよい。水道に温水がきていたのには驚いた。
対岸の町は北バンクーバー。午前中訪問したブリティッシュ・コロンビア保険公社があ
るところである。
スタンレー卿が対岸の別荘を売り出すために架けたというライオンズゲート・ブリッジ
の下をくぐる。橋脚の高さ116m、全長1500m、カナダ最大の美しい吊り橋であ
る。
この半島は、岩盤その物のようだ。半島の北西部は、高い崖になっていて岩肌がむきだ
しであり、その上は杉や樅の大樹林のようだ。所々にある砂浜には大きな丸太が行儀よく
並んでいる。休憩用の椅子だそうである。
海岸に沿って走っていたら大きな橋が見えてきた。昨朝渡ったバラード橋である。橋の
右には、電光板のあった大きな広告塔も見える。
適当なところから左に入って、ホテル近くの商店街でジョギングは終わりにする。
約70分、12キロ。
チョコレートや木彫りのフクロウ、カモを買って帰る。