◆◆ トランスアメリカ・フットレース ◆◆

   ステージラン参加記(ステージ62)

◆8月18日(木)曇り
 今日は岡田さんに代わって鈴木さんがサポートに加わる。
 今日の出立ちは、出発直前に届いた海宝さんの名前入りの緑のTシャツ、短いタイツ、 青のシューズ。
 5時スタート。
 10分もしないうちに汗が滲み出る。蒸し暑い。
 小雨が降り出して心地よい。
 昨日と同じくハイウエイ222号線に乗る。 阪本さんが遅れだす。やはり昨夜の食事 を充分とっていないせいだろう。

◆道を間違える
 6時40分、前方正面に太陽が登る。暑くなりそうである。
 昨日の雨のせいか、ナメクジやミミズが大量に出ている。このへんの状況も日本と変わ らないようである。
 前にも後ろにもランナーの人影はない。心細くなったところでサポーターの車に出会 う。
 わずか先にエイドステーション7の印があった。陸橋の下を潜ると道路は2手に分 かれて1つは直進、1つは大きな円弧を描いて左折している。
 さっきの補水のとき、特に注意もなかったし、小麦粉の矢印もない。
 伊藤さんは、道順についてくどい程説明してくれるし、矢印も必要なところにはずっと ついていたので、おかしいなと頭をひねりながら左をとる。間違っていれば戻ってくれば いいことだからと。
 坂道を上り詰めると、ハイウエイ9号線に出た。エイドステーション7の上である。辺 りを見回すと先程の道は東の方に真っ直ぐ伸びている。
 引き返そうとしたとき、プップーとパトカーがやってきた。
 「どうしたのか?」と聞くので、ターンシートを見せて
 「222号線はどれですか?真っ直ぐ伸びているあの道路ですか」
 「なんとか、かんとか、イエース」
 「オッケー、サンキュー」と引き返す。
 エイドステーション7まで戻って、矢印を見落としていないかと、何度も確認したが、 どこにも矢印はない。この間18分のタイムロス。
 (帰ってよく調べたら、222号線はとっくに終わっており、道を間違えたのは22号 線でターンシートを1ページ間違えていた。お巡りさんもいい加減なものだ)

 綺麗な街の中を駆け抜ける。
 着飾った人達がゆっくり歩いている。擦れ違うとき、軽く手を振ったりして挨拶してく れるのが嬉しい。
 9時36分、気温は78度(摂氏26度)まで上がった。  道路脇にはムクゲの並木があったり、店の前庭には鶏頭が鮮やかに咲いていたり、街中 も郊外の道路脇の草花も殆ど日本と変わらない。
 街を抜けて22号線に合流したところでムーンバットの岡田社長の車と擦れ違った。
 エイドステーション10の地点。社長も気が付いてすぐ折り返し車から下りて来た。
 なんでも小生が迷子になったというので心配して探していたとのこと。コースを外れた のは僅か18分だったので、そんなことになっているとは夢にも思ってなかったのに。
 ビスケットをもらい走り出す。
 エイドステーション12で徳升さん達の車が待っていた。11時20分。
 温かい味噌汁をもらう。すきっ腹に日本の味は何ともいえない。
 たちまち元気を取り戻す。

◆カットオフタイム
 12時10分、気温は82度(摂氏28度)暑くなってきた。
 昨日の夕食が足りなかったせいと暑さのために元気喪失して僅かの坂でも歩く。
 再び街に入る。何かイベントでもあるのか綺麗に着飾った女性達で賑わっている。ここ でも擦れ違う人が、軽く手を振ったり顔をしゃくったりして挨拶してくれて嬉しくなる。
 急な坂の上に出た。勾配が45度もありそうなきつい坂である。歩道は階段になってい るところもある。日本では長崎あたりでしか見られないよう坂である。
 金井さんと阪本さんの距離が離れ過ぎてサポーターの支援がいき届かなくなっている。
エイドステーション18(15時14分)で美しい家のブロックを借りて座り込み、シュ ーズを脱いで小石を出し、痺れかかった足の甲や裏にもバンテリンを塗り込んで揉みほぐ す。長居は無用と立ち上がったところにサポート車が到着。
 水筒も空だし空腹も感じていたので、水とヨーグルトをもらう。
 徳升さんは「もっと食べんといけません」と果物の缶詰を開けてくれる。あまり食欲は なかったが親切かつ強い調子でいうものだから、半分は義理で食べたようなもんだ。
 大部時間もくったので、頑張らんといけない。
   阪本さんが後ろに見えたがそのままスタートする。
 やがて阪本さんが追いついて来て一緒に走る。
 この辺りから豆の痛みは忘れてしまい、やや下り気味の郊外を懸命に走って次のエイド ステーションまで28分。そのままのスピードを維持して次のエイドステーション20ま で27分と好調である。
 エイドステーション20では、徳升さんの車が止まり関さんも一緒にいる。
 手を振ってそのまま通過しようとしたら関さんが呼び止める。
 ここで車に乗ってくれという。残りの約9マイルを制限時間内に走るのは無理だからと いう。
「そんなことはないよ。エイド間28分、27分とスピードアップしてるんだから、あと 2時間半あれば充分だよ。今4時25分だから7時前には届くよね、阪本さん」と同意を 求める。
「2マイルを34分掛かると計算すると約3時間になりカットオフタイムには着かないこ とになる。それが確定したエイドステーションで打切るのがルールなんだから」と。
 ここで、もう少し粘って交渉すべきだった。
大会関係者も後2時間半も待つのは大変だろうな、なんて余計な心配をせずに、最後まで 走るべきだったと悔やんでも後の祭り。
 やはり、そのときは疲労困憊していたのだろう。一応抗議はしたものの、強くはなかっ たもの。阪本さんも仕方なく車に乗り込む。

◆特製のステーキ
 ゴールはワシントン(ニュージャージ州の)の高校体育館。
 ここもシャワーの湯の出が悪く寒さで震え上がった。
 夕食はクルー特製の大きなステーキと御飯。昨日これだったらカットオフされることも なかったろうに。
 ミーティングまでの間を利用して、岡田社長が持ってきた、真ん中にクランドキャニオ ン辺りを通過する時に全員で撮った写真を貼った色紙を40枚出して、サインを求めた。
 我々も勧められてサインをした。
 ランナーズの社長と下条編集長も来ていた。
 「よろんでお目にかかった見野です」と自己紹介すると
 「存じております」と編集長。社長は至っておとなしく無口のようである。
 この夜も温かく寝袋は不要であった。9時の消灯を待たず寝てしまう。

 本日の走行距離は48.95マイル。カットオフされたのが39.8マイル地点。
 従って金井さんは全行程78.8キロ。
 阪本さんと小生は64.1キロということになる。

ステージラン参加記(ステージ63)に続きます



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