フットレース最終日(8月20日)
◆8月20日(土)晴
久々にゆっくり起きて、10時過ぎにセントラルパークにランナー達を出迎えに行く。
ヒルトンホテルの前(6番街)を左に真っ直ぐ行って突き当たったところが公園。
公園の南端の道路59ストリートには、絵画を並べて売っている人もいた。欲しいよう
な絵も何枚かあった。
ゴールは公園の南西の角のコロンバスサークルから内部に入ったところ。すでにムーッ
バット手製のゲートができて報道陣もそろそろ集まっていた。
今日は土曜日。公園には人が溢れている。ジョギングをしている人、サイクリングをし
ている人、スケボーをやっている人、ローラースケート(車が縦に1列についている)の
教室が開かれているのか初心者の群れ、馬車に乗っている家族連れなどなど。
◆星条旗を振りかざして
11時、そろそろトップがゴールインしてくる時間。
カメラアングルを考えて、コロンブスの塔を背にしてゴールに駆け込んでくるところを
1枚、テープを切るところを後ろから1枚、カメラマンの殆どはゴールインの瞬間を前か
ら撮ろうと構えている。その彼らも入れてランナーの後ろから撮るのも一興である。出来
映えは現像してからのお楽しみだ。
セントラルパークの西端の8番街にざわめきが起った。
1位のイステバンさんがコロンバスサークルを回って元気な姿をみせて関係者一同の歓呼
の中を悠々とゴールイン。
マラソンゲートの時計は5時間24分49秒(11時9分)を指していた。
クルー達と抱き合って完走の喜びを分かち合っている。感動のシーンである。
古市さんも朝のトレーニングを終わってやって来た。
遠田さんも遙々日本からやって来た。彼は、ステージラン・ツアーの第1陣に参加して
ステージ20〜23を完走したあと帰国していたが、4,700キロを完走した人達のゴ
ールインの感激を味わいたいと、再び訪米したのだった。
11時56分、2位のダンテさんが大きな星条旗を振りかざしてゴールイン。
クルーと抱き合っている目にきらりと光るものがある。
12時01分、海宝さんが夫人と裕太くんと手を取り合ってのゴールイン。
日焼けした精悍な顔に微笑みが浮かぶ。
ロスをスタートしてから次第に痩せ元気を失ってきたので、心配したクルーは炊飯器を探して
御飯を中心にした食事に切り換えてから、元気を取り戻し体重も次第に戻ったという。
灼熱の砂漠で焼かれた皮膚は、南方系の色をしている。『さくら道260Kmウルトラ
マラソン』で会ったときより1段も2段も精悍さが増している。
「お目で度う。本当にお苦労さんでした」
花束を片手に気色満面な海宝さんを何枚も何枚も撮り続けた。
NHKのカメラマンも来ていた。10月16日に特別番組でトランスアメリカ・フット
レースの模様も報道するとか。楽しみである。
佐藤さんが働いていたレストランORIGAMIのオーナー市川さんと、友人の佐治さ
んが来ている。妹の友子さんも日本から兄の偉業を讃えるためにやって来た。
佐藤さんは物静かではにかみ屋さんであるが、妹の友子さんも顔形性格までそっくりの
ようである。そんな彼女がマラソンゲートの下で待ち侘びている姿をパチリと1枚。
12時18分、4位の佐藤さんが真っ黒に焼けた裸体でゴールイン。クルーのスーザン
に迎えられて、俯いて照れている。
カビカさんがアメリカの国旗を片手に葉巻を吸い吸いやって来た。彼一流のパフォーマ
ンスである。ゲートでは飛び上がってのゴールイン。12時29分。やんやの喝采が巻き
起こる。
1928年、56年前に開催されたことがあるトランスアメリカ・フットレースに参加
して完走したハリー・アルハムさんと、昨年の優勝者エドワード・ケリーに迎えられて、
黄金色をした髭に埋もれた眼鏡の奥にキラリと光るものがある。
頭ふさふさ、髭はスタート以来伸ばし放題と思われる程ぼうぼう。耳の上と顎髭の先端
にリボンを結んだ赤い顔は愛嬌のある独特の風貌をしている。
スポンサーのムーンバットの岡田社長が社員達が手をかざして作ったアーチをくぐり抜
けてゴールイン。
マラソン好きな岡田社長がトランスアメリカ・フットレースの第2回からスポンサーを
買って出て、来年もこれまでにないスケールの大会にしたいと張り切っておられる。
4,700キロという気の遠くなるような距離を64日間、1日の休みもなく走り続け
て見事に完走した偉大なるランナー達に記念のトロフィが贈られ、一頻り記念撮影で賑わ
う。
かくて64日に及んだトランスアメリカ・フットレースは無事に終了した。
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| 見事に完走した5人。下段左からカビカ・スポールディング(5位)、 イステバン・シフォー(1位)、ダンテ・チオフィー(2位)、海宝道義(3位)、 佐藤元彦(4位) | 完走賞の楯を手にしたダンテ・チオフィー(中央)とスポンサーのムーンバットの 岡田社長 | 海宝さん一家とムーンバットの青年たち |
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| のどかなセントラルパークの一こま | 親切なパトロール中のお巡りさん | 左から小生、北川カメラマン、サポーターを勤めてくれた伊藤さん、ランナーズの 編集長下条さん、ランナーズのニューヨーク特派員古市さん |
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| 離米の朝セントラルパークを走る | 金井さん(左)と古市さん。セントラルパークは古市さんのトレーニングコース | 左から金井さん、小生、遠田さん、阪本さん、空港まで送ってくれた徳升さん |
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